幾何公差と表面性状

9.表面粗さ



表面粗さのJIS規格の最新はJIS B 0601:2001になります。


機械部品や加工素材の表面はどのような平坦なものであっても凹凸が散見されます。これらは切削、研削、研磨、ラッピングなどを経て表面粗さをより細かくしていくことができますが、その際に表面粗さを計測する指標として、いくつかの基準が設けられています。


面粗さの各基準は、凹凸の何をもって「粗さ」としているのかという観点から複数の基準があります。表面の粗さは「うねり」と「粗さ」の両面から見る必要があります。


面粗さを示すJIS規格には、古いものからJIS B0601:1982、JIS B0601:1994、そして最新の規格としてJIS B 601:2001がありますが、各々定義している面粗さの表示記号が異なりますので注意が必要です。




粗さ/規格 JIS B
0601:1982
JIS B
0601:1994
JIS B
0601:1994
算術平均粗さ Ra Ra Ra
十点平均粗さ Rz Rz Rzjis
最大高さ Rmax Ry Rz



粗さの種類について
主に中心線平均粗さ、最大高さ、十点平均粗さの三種類があるが、国内外を問わず中心線平均粗さが最も多く用いられており、この方法によることが望ましいとされている。

三角記号について
測定すべき面に直角平面でその面を切断すれば、その切り口には表面の輪郭を示す曲線が現れる。これを「断面曲線」という。


測定断面と粗さ曲線
現在は測定機器・機械技術の進歩から三角記号のような概念的な表示では、諸々のトラブルを起こすことが多くなり、数値を用いて粗さを定量的に明示することを推奨している。


しかし、一般の測定では、触針などで表面をなぞり、その触針の上下動の記録を「断面曲線」としており、この曲線から一定長さ(基準長さという)を抜き取って粗さを求めるものである。

また、粗さ曲線というのは、電気的な触針式粗さ測定器を用いる場合、断面曲線の低周波成分、いわゆるうねり成分を除去するために、電気的フィルタを通して得られた曲線は断面曲線とは形が異なってくるが、これは粗さを代表する曲線であると考えられるので、これを「粗さ曲線」と呼ぶ。

また、うねり成分を除去する所定の波長をカットオフ値と呼ぶ。