工業製品の表面には、色彩.光沢.美観.耐食性.塗装膜の強さなどのさまざまな要素が要求される。
なかでも、加工表面の凹凸・筋目などは、部品の機能や組み立てたときの機械の性能に大きな影響を与える。
これまでのJIS では、この加工表面の凹凸・筋目などを総称して「面の肌(surface texture)」と呼んでいた。
しかし、この「面の肌」という用語は、工業製品の表面がもつ性質や状態の意味合いが薄いこと、また、工業分野では広く普及していないことなどから「表面性状」という新しい用語に変更された。
2002年度の改正では、この表面性状関連の規格をISOに沿って規定している。また、表面性状の特性をあいまいさがないように図面や製品技術文書に指示するための規格の整備も進められ、JIS B 0031 も「面の肌の図示方法」から「表面性状の図示方法」へと大幅に改正された。
規格名につけられている(GPS)は、Geometrical Product Specifications の頭文字で、Geometrical は「幾何学上の」、Product は「製品」、Specificationsは「仕様書」などの意味があり,「製品の幾何特性仕様」という用語に訳されて使われている。
「製品の幾何特性仕様(GPS)」の規格には、下記などがあります。
JIS規格番号 |
JIS規格名称 |
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JIS B 0031:2003 |
製品の幾何特性仕様(GPS)表面性状の図示方法 |
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JIS B 0610:2001 |
製品の幾何特性仕様(GPS)表面性状:輪郭曲線方式…転がり円うねりの定義及び表示 |
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JIS B 0631:2000 |
製品の幾何特性仕様(GPS)表面性状:輪郭曲線方式…モチーフパラメータ |
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JIS B 0633:2001 |
製品の幾何特性仕様(GPS)表面性状:輪郭曲線方式…表面性状評価の方式及び手順 |
※表面性状の要素
粗さパラメータ
粗さ曲線から算出するパラメータで、頭文字にRをつけて表記します(Ra,Rz,Ry等)
面粗さを表記する方法としては最も多用されるパラメータです。
うねりパラメータ
うねり曲線から算出するパラメータで、頭文字にWをつけて表記します(Wa, Wz, Wy等)
断面曲線パラメータ
断面曲線から算出するパラメータで、頭文字にPをつけて標記します。(Pa, Pz, Pv等)素材