１） クリアランス

円筒の絞り加工に於ける、パンチとダイのクリアランス（隙間）の大小は、絞り加工された製品の形状に関係する。
一般に、絞り加工が行われると、開口部は元の板厚より厚くなり、絞り底肩部は最も薄くなる。
クリアランスを狭くすると、絞り加工が進行すると共に、ブランク端部の板厚が厚くなった部分をしごく様になり、寸法精度がよくなる。
逆に、クリアランスを大きくすると、絞り加工製品にしわやそり等の不良が生じ、寸法精度が悪くなる。
再絞りを必要とする円筒絞りの場合のクリアランスは、1.05〜1.15ｔ程度がよい。

円筒絞りの場合


フランジ付き円筒絞りの場合

円筒絞り型のクリアランス

しごきなし	1.4 〜 2.0t
軽いしごき	1.1 〜 1.3t
均一な側壁	0.9 〜 1.0t

2) 加工力

絞り加工力は、絞りパンチ力と、しわ押え力を加算し求める。

絞り鋼板　ｋの値

フランジ比 Df / D0	絞　　り　　率　　　　d / D0
	0.35	0.38	0.40	0.42	0.45	0.50	0.55	0.60	0.65	0.70	0.75
3.0	1.0	0.90	0.83	0.75	0.68	0.56	0.45	0.37	0.30	0.23	0.18
2.8	1.1	1.0	0.90	0.83	0.75	0.62	0.50	0.42	0.34	0.26	0.20
2.5	-	1.1	1.0	0.90	0.82	0.70	0.56	0.46	0.37	0.30	0.22
2.2	-	-	1.1	1.0	0.90	0.77	0.64	0.52	0.42	0.33	0.25
2.0	-	-	-	1.1	1.0	0.85	0.70	0.58	0.47	0.37	0.28
1.8	-	-	-	-	1.1	0.95	0.80	0.65	0.53	0.43	0.33
1.5	-	-	-	-	-	1.1	0.90	0.75	0.62	0.50	0.40
1.3	-	-	-	-	-	-	1.0	0.85	0.70	0.56	0.45