割れを発生させずに絞ることが出来る最小の絞り率を 「限界絞り率」 という。
絞り加工では、ブランク径の大きさを最小にし、少ない加工回数で製品寸法とするために、「絞り率」を出来るだけ小さくしたいが、ある限界を越すとブランクが破断し絞れなくなる。
この、加工が可能な絞り率を「限界絞り率」という。
一般的な、「限界絞り率」は、表に示すような値が用いられている。
加工する材質によって[限界絞り率]は異なるため、絞り工程を考えるときは、適正な値を採用し、絞り率を決定をする。
この値は、シワ押えの有無にも関係する。シワ押えの無い場合には、出来るだけ余裕を取り、シワ押えがある場合でも、極端に小さな値を取らないようにする。
材質による限界絞り率
材 質 |
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絞 り 鋼 板 |
0.55 〜 0.60 |
0.75 〜 0.80 |
深 絞 り 鋼 板 |
0.48 〜 0.55 |
0.75 〜 0.80 |
ステンレス板 |
0.50 〜 0.55 |
0.80 〜 0.85 |
メッキ鋼板 |
0.58 〜 0.65 |
0.85 〜 |
アルミニウム板 |
0.53 〜 0.60 |
0.75 〜 0.85 |
ジュラルミン板 |
0.55 〜 0.60 |
0.85 〜 0.90 |
黄銅板 |
0.50 〜 0.55 |
0.75 〜 0.80 |
銅板 |
0.50 〜 0.55 |
0.75 〜 |
亜鉛板 |
0.65 〜 |
0.85 〜 |