円筒絞りの基本

3.円筒絞りに於ける絞り率



絞り直径(d)とブランク直径(D)との比率(d/D)を「絞り率」という。


絞り率がある数値を越えて、加工すると製品が破断する。
この時の絞り率を「限界絞り率」という。


相対板厚は、板厚とブランク直径との関係で、次式のようになる。

     相対板厚

下の表は、(ロマノフスキー)の計算式による相対板厚比での絞り率を表し、 相対板厚比が小さいと絞り率は大きくなり、大きいと絞り率は小さくなる。

相対板厚の値によって絞り率は異なる。



絞り率は、次の計算式により求める

第一工程 絞り率
第二工程 絞り率
第三工程 絞り率


絞り直径は、次の計算式により求める。

絞り直径(d1) = ブランク直径(D) × 絞り率 (m1)
絞り直径(d2) = 絞り直径(d1) × 絞り率 (m2)
絞り直径(d3) = 絞り直径(d2) × 絞り率 (m3)



軟鋼板, ステンレス鋼板, 軟黄銅板   最適絞り率 (ロマノフスキー)

絞り率
mn
相     対     板     厚           t / D × 100%
2.0 〜 1.5 1.5 〜 1.0 1.0 〜 0.60 0.60 〜 0.30 0.30 〜 0.15 0.15 〜 0.08
m1 0.48 〜 0.50 0.50 〜 0.53 0.53 〜 0.55 0.55 〜 0.58 0.58 〜 0.60 0.60 〜 0.63
m2 0.73 〜 0.75 0.75 〜 0.76 0.76 〜 0.78 0.78 〜 0.79 0.79 〜 0.80 0.80 〜 0.82
m3 0.76 〜 0.78 0.78 〜 0.79 0.79 〜 0.80 0.80 〜 0.81 0.81 〜 0.82 0.82 〜 0.84
m4 0.78 〜 0.80 0.80 〜 0.81 0.81 〜 0.82 0.82 〜 0.83 0.83 〜 0.85 0.85 〜 0.86
m5 0.80 〜 0.82 0.82 〜 0.84 0.84 〜 0.85 0.85 〜 0.86 0.86 〜 0.87 0.87 〜 0.88

(パンチR(rp) が(4〜8t)のときは大きい数字、(rp) が(8〜15t)のときは小さい数字を採用)