円筒絞りの基本

11.最後に



絞り加工について

絞り加工の要素は複雑であり、その中から代表的な円筒絞りの基本について述べきましたが、絞り加工で最も重要な要素は、限界絞り率(LDR)と絞り率である。その設定を誤ると不良となる。
また、パンチラジアスとダイラジアスの大きさ、クリアランス、しわ押えの力、ビードの追加など、考慮しなければならない。そして、金型の面素度(磨き)も重要な要素の一つである。
円筒絞りは、計算値の採用や、実データの採取もしやすく考え易い加工方法であり、実際の経験値を基にデータを活用することが金型製作では最も有効である。
そのために、実際の経験値を収集し、分析して常にデータを利用できるようにしておくこと。


今後の課題

現在では、円筒絞りに於いては極小径の深絞り(内径0.5mm 板厚0.05mm 絞り深さ30mm)で注射針のような製品が量産されている。また、平板鋼板からパイプ形状の製品に成形する深絞り加工が実際に行われている。市場では量産品の製作コストの見直しが盛んに行われているため従来にない加工方法と技術が求められている。
このように、円筒絞り加工では「極小径」と「深絞り」という2つの要素を満たすことができる自社技術の開発が必要であり、そのためには、更なる勉強と知識の習得が不可欠である。