曲げ加工においてその断面は下図のような関係がある。
板厚中立軸に対して内側は圧縮応力、外側は引張応力が作用する。
曲げ部の中立軸外側は引張応力が作用し板厚が減少する。
中立軸は曲げ部において必ずしも板厚の中央でなく若干内側に移動する。
その移動量は「板厚と内側曲げR」の関係によって異なる。
曲げ加工完了後、外力がぬけると圧縮、引張応力の反発により曲げ角度が開く。
これを「スプリングバック」と呼ぶ。
硬い材料ほどこの現象は現れ、その開き角度も大きくなる。
何らかの方法により圧縮、引張応力のバランスをとり、「塑性変形」させることがスプリングバック対策では重要である。
補足: 塑性とは?
物体が外力を受けて変形し、外力を取り去っても元に戻らないで変形が残る性質を「塑性」といい、完全に元に戻る性質を「弾性」という。
金属は、塑性変形し易いという性質が大きな特徴で、この性質を利用して曲げ加工などが行われている。