抜きの基本

6.せん断変形過程の応力



抜き加工により材料のソリ(平面度変化)が発生する。

そのため、製品精度が不安定になり易い。

せん断変形過程の応力

※ 一般的な抜き型では「ソリ」の防止は困難である。

※ 金型構造では、材料押さえなど「ソリ」の防止を考慮し
  変形応力を最小限に止めることが重要である。

クリアランスが大きくなると

    

曲げモーメントが大きくなる。

    

張力が大きくなる。

    

せん断後、張力は開放される。

    

製品は縮む傾向にある。



補足: モーメントとは?

「てこ」 の原理を少し考えて下さい
(支点からの腕の長さ)×(力)が両側で等しければ 「てこ」 は釣り合う。
この、 「(支点からの腕の長さ)×(力)」のことを 「モーメント」 とう。物体をある軸または基準点の回りに回転させようとする力の量を「力のモーメント」といい、「トルク」と同じです。簡単に、「物体を回転させる力」と考えればよいでしょう。


参考

モーメントは物理学で使われる用語で、トルクは主に工学の分野で使われる用語です。トルクとモーメントは本質的には全く同じものです。 力学分野で単に「モーメント」といった場合には通常は「トルク」と同じ意味をさします。それ以外のモーメントは「慣性モーメント」や「磁気モーメント」などのように特に接頭語をつけて区別します。