最大実体公差方式は、幾何公差の緩和とコスト低減等を目的としているようです。(詳しくは、JIS規格のJISB0023を参照)
造る側としては最大実体公差は頭に入れず、製品寸法が公差値から外れた場合の救済に使用した方がよいと思います。
公差適用例(1)
1.軸物で公差値だけにまるMがある場合
1)図示例
※通常の位置度に緩和領域が追加された図面です。
2)解釈
ア、実効寸法
イ、実際の軸径がマイナスいっぱい(10−0.2)の場合の緩和された平行度公差
※上図のように軸の最大径と平行度の公差で実効寸法が決まります。
様はその軸が許容される円筒の最大値(φ10.0)と公差値(0.1)の大きさで決まります。
ウ、動的公差線図
上記で説明した最大実体公差の変動する範囲を表にしたものです。
※横軸は軸の直径を、縦軸は平行度を表し、軸径と平行度が交わる点が公差領域