幾何公差と表面性状

5.姿勢拘束とデータム


計測に当たり、部品を完全拘束するには、一般的に3つのデータムを用いて姿勢を拘束します。図のように、互いに直交する3つのデータム平面によって構成されるデータム系を「三平面データム系」と呼ぶ。


データムの優先順位と三平面データム系

データムの優先順位と三平面データム系
データムの優先順位と三平面データム系

データムターゲット

データム形体として平面の面積が大きければ大きいほど、表面はうねり、この場合、表面全体をデータム形体として指示すると、加工や検査のときに大きな誤差を生じる可能性があり、繰り返し性や再現性が悪くなり計測誤差につながる。また、凹面の底部をデータム面とする場合は直接定盤にデータム面を当てることができない場合もある。 そこで、これらを防止するために「データムターゲット」を指示し、必要最小限の部分をデータムと設定するものである。

データムターゲットは、横線で2つに区切った円形の枠(「データムターゲット枠」)によって図示する。データムターゲット記入枠の下段には、形体全体のデータムと同じデータムを指示する文字記号およびデータムターゲットの番号を表す数字を記入する。



 データムターゲット記入枠と記号 データムターゲット記入枠と記号

  データムターゲットの図示例 データムターゲットの図示例